海洋深層水のヒミツ −富山湾から地球が見える!−

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富山湾

日本海に面する「富山湾」。

その海では河原の石が取れます。山から海までの距離が短いため、流れが急になってしまうために生じているもので、標高3000mの立山連峰から続く急斜面が、海底1000mまで一気に到達するという世界的に希な地形なんです。

その独特の地形は、湾内を豊かにしてきました。海底には、今もなお太古の森の痕跡が残り、深海には奇妙な生物が群生しています。

その富山湾の水は不思議な成分を多く含んでいます。その一つが、「グリシン」。含有量は普通の水の倍ちかくもあります。

また、豊かな海洋深層水も多く存在します。海洋深層水とは海面で冷やされて重くなり深海へと注いでいる海水のことで、100年かけて日本を巡回しています。海洋深層水には、バクテリアの数が1000分の1から1万分の1しかなく、非常に澄んだ水で塩化リチウムが含まれているため、そこからリチウムという希少金属をとる研究も進んでいます。

ところが、この宝の海に異変が忍び寄ってきているのです。

立山連峰に広がる観光名所として有名な雪の壁の中に、一筋氷の層が見えるようになってきました。

飯田肇さんによると、温かいあるいは雨が降った証拠ということなんですが、問題はその時期。今年の1月中旬の最も寒いとされてきた時期に氷の層ができているのです。これは確実に温かくなっている証拠といえます。

これが富山湾に与える影響が懸念されています。

雪解け水は、海底に豊かなわき水として注いでいます。それがなくなれば、海の生態系に影響を及ぼす可能性がある。実際問題として、富山湾で獲れる魚の種類が変わってきました。暖流系の魚の代表格であるサワラ。去年は1600トンも獲れたのです。

さらに、危機は世界的にも広がっていて、アメリカの論文誌Scienceに驚くべき論文が掲載されました。

「熱帯に拡大する酸素不足の海」

微生物が生息できない海が拡大しているというのです。富山湾でも、既に30年前から深層水に含まれる酸素含有量が減ってきていることが観測されていました。

精巧な命の仕組み。

そこに生きる人々はみんなつながっているのです。大切な場所が、少しずつ減ってきている現実に対して、その小さな兆しを見逃さないで注視していきたいと思います。


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2008/05/26(月) | ひらりんげんぞう日記