このように、当初長引くことを想定していた関ヶ原の戦いが1日で終わってしまったために、九州を平定しようと着々と手中におさめていた如水ですが、残り数カ国といったところで終了。善助や如水は心から悔しがりますが、後に早く終わらせた張本人である息子の長政を初めて面と向かって認めるシーンからも分かるように、潔く負けを認めてたち振る舞う姿はさすがだなと思います。
さらに、大坂で家康とあった如水は、家康が志を高く持ち、自分がいなくなっても太平の世の中を続かせることを明言したため、天下人としての資質に関しても負けを認めた形になります。これまで戦で負けたことがない如水は最後まで納得のいく形で幕を引くことができたということは、幸せな生涯を送ったと言ってもいいでしょう。最後のシーンは、官兵衛にとって運命の花ともいえる藤が咲き誇る中での芸術的な形というのも、見る側に満足感を与えたのではないでしょうか。
物語全般を振り返ってみると、黒田官兵衛という戦国の世の中では、自分の中では第2レベルの知名度であったたため、どのような生き方をしてきた人なのか、中国大返し、秀吉の軍師としての活躍を見たかったのですが、それらはもちろんのこと、荒木村重との関係や、小早川隆景、恵瓊などの結び時など、素晴らしい人間性を知ることができた素敵なドラマでした。世の中では荒木村重との因縁の仲などといわれていますが、物語はきちんと村重と後に和解するように描かれていて好感を持つことが出来ました。同時代の大河ドラマとして、天地人、江などがあったため、三成側からの見方や淀殿からの見方など違った角度で見ることができたのもよかったと思います。
さて、次回からは幕末に再び戻っていきます。八重の桜を超えることができるのかどうか、知名度はほとんどない人物だと思うので、どのあたりに楽しむポイントを持って行ったらいいか、じっくりと探していこうと思います。
◆官兵衛紀行◆
福岡県福岡市
- 御鷹屋敷跡
- 黒田如水の墓
- 福岡城
京都府京都市
- 黒田長政下屋敷跡
|
|
| |||
|
|
|
関ヶ原の場面は、次回が本番だと思うのですが、どうしても手薄になってしまうのは、主人公が黒田だからなのでしょう。なので、長政もほとんど家康のパシリ的な状況になっていたり、その長政も家康軍の中での振る舞いがほとんど描かれていなかったするのは、仕方ないこととはいえ、少し寂しい感じもします。
そんななかはやり圧巻だったのは、九郎右衛門と吉弘統幸の石垣原の戦いでしょう。的場浩司さんが良い味を出していてかなりの熱演だったのも感動的なシーンを生んだ要因だと思います。このように素晴らしい武将は散り際が本当に男らしいですね。かつての備中高松城の清水宗治を思い出しました。こういう人こそ生き残って日本のために活躍して欲しいと思うのですが、そうなったらまた日本は違った形になっていたのかもしれません。そう思いをはせるのも歴史の醍醐味なんでしょう。
さて、次回はとうとう最終回。オープニングの曲をきくのも最後なのでしっかりと脳裏に焼き付けつつ、関ヶ原の最後、如水の最期を見届けたいと思います。
◆官兵衛紀行◆
大分県別府市
- 石垣原(いしがきばる)古戦場趾碑
|
|
| |||
|
|
|