ひとりぼっちのゴリラを救え!

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ゴリラ

茨城県日立市のかみね動物園に、メスのアキとオスのダイスケという2頭のゴリラが飼育されていました。動物園の顔としてふたりで頑張ってきてゴリラベビーが期待され始めた2008年5月、メスのアキが突然亡くなってしまいました。

失意の底におちてしまったダイスケは笑うことをしなくなってしまいました。そんなダイスケを少しでも元気づけ、元の姿を飼育係だけでなく見に来てくれるお客さんにみせて欲しいという願いから、飼育係の山内さんはアメリカのサンフランシスコ動物園へとそのヒントを探りに出かけます。

このサンフランシスコ動物園は、手話を操り、人間と会話し、子猫をかわいがるゴリラ「ココ」が生まれた動物園として有名で、長年ここでゴリラ研究を続けているジョアン・タンナー博士と出会います。30年以上もゴリラの表情やジェスチャーを研究しているジョアン博士は、ゴリラの特徴や考えを実によく理解しています。博士によると、ゴリラはチンパンジーなどと違って性格的にも行動的にも落ち着いていて、ずっと人間を観察しているそうです。その中で人間の動きを伝えることが可能で、その結果として手話で感情を表現することができ、それは環境や条件次第で色々な能力を発達させることができるといいます。

ゴリラたちはもっともっと話したがっているのです。ゴリラは群で生きる社会的な秩序を持った動物であり、ジェスチャーなどで人間が根気よく伝えようとすれば、彼らはきっとそれを理解してくれる。ゴリラを信頼し、愛情を注いであげることが大切だとジョアン博士は説明します。

そのことを知った山内さんは早速日本に帰りダイスケの笑顔を取り戻す作戦を開始します。始めは、ダイスケの表情も硬いままで、人間が教える様々なジェスチャーに興味を示さなかったのですが、学んだとおりに根気よく続けたことによって、ある日光が見えてきました。ミスチルや演歌などを流したことによってリラックスしたでんぐり返しを始めたのです。

さらに、新しい計画「KOKOプロジェクト」を実行し始めました。このプロジェクトはテンジクネズミとダイスケを同じ檻に入れて、お互いのコミュニケーションを図ろうとする、まさにKOKOと同じ施策です。まだお互いに怖がっていますが、心優しいダイスケの心は少しずつ新しい同居人とうち解けていくでしょう。

日本のゴリラの頭数は年々減少し続けていて、今年は27頭でそのうちメスは12頭しかいません。動物園で見ることができるゴリラは密かな絶滅危惧種なのです。残されたダイスケはまだ29歳。他の動物園に出して繁殖に結びつけることもできるのですが、ダイスケたちはずっと市民に愛され続けてきた動物であるため、当面外に出すということにはならないそうです。

飼育係の人たちは切に願っています。ダイスケが楽しく長生きしてくれることを。そして生きているゴリラはこんなにもすごいんだということを一人でも多くのお客さんに伝えていきたいと。

ダイスケが笑ってくれるその日まで、飼育係の奮闘記は終わりなく続いていきます。


【参考】素敵な宇宙船地球号 11月16日



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